鼻水・鼻づまり解消生活!

鼻の機能と役割

気道の一部としての鼻

鼻には気道の入り口としての大切な役割があります。

 

外鼻孔から鼻腔、のどを通って、気管から肺へと続いていく空気の通り道が気道ですが、鼻腔はきれいな空気を肺に送り込むようにするという機能を担っています。

 

特に、左右の鼻の穴の入り口部分は「鼻前庭」と呼ばれており、皮膚に覆われて鼻毛が密生しています。その鼻前庭に密生している鼻毛は、吸い込む空気に含まれている病原菌やウイルス、チリやホコリなどを絡め取るフィルターの役目を果たしています。

 

また、鼻腔内の鼻粘膜は、侵入してきた異物を吸着します。そのために鼻の内部はでっぱりなどが入り組んだ形をしており、吸着する面積を広くしています。

 

さらに鼻の粘膜の表面には、線毛と呼ばれる細い毛がびっしりと生えており、人体に有害な微粒子やチリ、ホコリなどの侵入を妨げる働きをしています。


鼻前庭より後ろは、薄い骨及び軟骨に粘膜が張っている鼻中隔によって、左右に分けられています。また、左右それぞれの鼻腔には、外側からひさしのように出っ張っている鼻甲介と呼ばれる構造物があります。鼻甲介は下から順に、下鼻甲介、中鼻甲介、上鼻甲介となっています。

そのほか、鼻甲介の間の空気の通り道は、下から順番に下鼻道、中鼻道、上鼻道と呼ばれています。

副鼻腔の構造

副鼻腔とは、鼻腔に接して左右にそれぞれ4対、合計8個の空洞のことを一般的に指します。その空洞は、それぞれお上顎洞(じょうがくどう)、篩骨洞(しこつどう)、前頭洞(ぜんとうどう)、蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)と呼ばれています。

 

副鼻腔の中で一番大きいのが上顎洞で、顔を正面から見た時、上顎の上にあって目の下にあります。篩骨洞は目の間にあり、蝶形骨洞は、その篩骨洞の奥にあって、脳下垂体の下に位置しています。前頭洞は額のあたりにあります。

 

副鼻腔の内側の壁も粘膜で覆われ、線毛が密生しており、鼻腔と同様に、侵入してきた細菌やウイルス、ホコリなどを外に追い出す機能があります。

鼻の加温・加湿機能

鼻には、鼻の粘膜が常に粘液で湿っているという特徴があります。鼻の粘膜の下には、血管が豊富に走っており、外の冷たく乾いた空気が鼻腔内に入り込んできた時、その空気を加温・加湿しています。

 

鼻腔に入った空気は、そのまま肺に送られるのではなく、適度な温度と湿度に調整されてから肺へと送られるようになります。

 

鼻腔粘液は、常に粘液と水分を分泌して、吸い込んだ空気に湿気を与え、湿度が100%近い飽和状態になるようにしているのです。

 

また、鼻粘膜から取り入れた空気に供給される水分は、1日に700mlにも達し、粘液は300mlも分泌されていると言われています。

 

鼻づまりの症状によって、口から呼吸するようになってしまうと、この鼻の加温・加湿機能の効果が無くなってしまうため、低温の乾燥した空気が直接肺に入り込み、強い刺激を肺に与えることになります。

 

そのことで、痰が増加するなど、様々なトラブルが生じる可能性があります。

生体防御反応としてのくしゃみ・鼻水

鼻腔には様々な神経反射がありますが、その代表的なのがくしゃみ反射です。ウィルスやチリなどの異物の侵入や、機械的刺激を受けた時、激しい呼気とともに体外に排出しようとしてくしゃみが起こりますが、これは生体防御反応なのです。

 

刺激物を吸入すると、鼻粘膜の表層に分布している肥満細胞からヒスタミンが放出されます。それが鼻粘膜の表層に分布する知覚神経を刺激し、刺激は脳幹にあるくしゃみ中枢に伝わります。

 

鼻水が出るのも神経反射が関係しており、肥満細胞からヒスタミンが放出され、それが知覚神経を刺激して知覚中枢へと伝わると、副交感神経反射によって鼻腺から鼻汁が分泌されます。

鼻腔と自律神経

鼻腔は内臓や血管と同様に、自律神経の支配を受けています。自律神経は交感神経と副交感神経から成っており、一方が促進的に働けば、もう一方は抑制的に働くという特質があります。両者が交互にバランスよく働くことで、身体は正常な機能を保つことが出来ます。

 

鼻腔においては、交感神経が優位に働くと、鼻粘膜の血管収縮と鼻水の分泌の抑制を促します。逆に副交感神経が働くと、血管の拡張と鼻汁の分泌が促されます。

 

鼻粘膜の血管が拡張すると、粘膜が腫れて、空気の通路が狭くなり、鼻づまりが起こりやすくなると言われています。また、鼻汁分泌の増加することで、鼻水が出るようになります。

 

このように、自律神経のバランスの乱れは、鼻づまりや鼻水の原因になるので、注意が必要です。