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慢性副鼻腔炎

慢性副鼻腔炎の特徴

慢性副鼻腔炎は一般的に蓄膿症と言われています。副鼻腔に膿が溜まった状態を指し、急性副鼻腔炎が慢性化して起こることが多いとされています。

 

急性副鼻腔炎ならば、抗生物質などの薬物療法によって比較的短期間のうちに良くなったり、時間の経過と共に回復を見込めたりします。

 

しかし、副鼻腔炎の炎症がおさまらずに長引いてしまうと、膿を排出する粘膜の働きが回復せず、細菌感染も加わって余計に治りにくいという悪循環に陥ります。そのような状態が慢性副鼻腔炎なのです。

 

風邪をきっかけに急性の副鼻腔炎になり、その症状が3か月以上続くことがあると、慢性副鼻腔炎に移行する場合が多いとされています。

 

また、急性副鼻腔炎からすぐに慢性副鼻腔炎になってしまったり、急性副鼻腔炎を何度も繰り返すうちに慢性化してしまったりすることもあると言われています。

 

それ以外にも、軽い風邪を引きずっているうちにアレルギーなどの要因が絡み合って、慢性化することもあると言われているため、注意が必要です。

 

そのほか、急性副鼻腔炎が完治しないうちに再び風邪を引いてしまうと、炎症が再燃してしまい、粘膜が腫れ上がって鼻腔への通気が悪くなり、分泌物もうまく排出されなくなります。そこに細菌が付着することがあると、炎症はますます悪化していきます。

 

そのような、風邪によって悪化する場合もあれば、真菌(カビ)による感染が原因で、慢性副鼻腔炎になることもあると言われており、このことに関しても注意が必要になってきます。また、気管支喘息などが関与していることもあります。

 

ちなみに、副鼻腔炎そのものは、食生活の向上と医療の進歩によって、1960年代から減少傾向にありますが、代わりにアレルギー性の鼻炎が増えるようになったため、近年は副鼻腔炎の原因や病態は単純ではなく複雑化しているとされています。

慢性副鼻腔炎の症状

慢性副鼻腔炎の主な症状は、粘膜が腫れることで生じる鼻づまりです。まず、粘膜の下の分泌腺から出る分泌物の量が増えて、黄色や黄緑の粘っこい鼻汁がたくさん出ることが、鼻づまりの原因になります。

 

そのような鼻汁は鼻から出る(鼻漏)だけではなく、のどに回ることもあり(後鼻漏)、大変不愉快な症状として知られています。

 

また、炎症が続くことによって、肥厚した粘膜の一部が成長して鼻ポリープ(鼻茸)になり、これが鼻づまりを促進することもあります。

 

鼻 ポリープとは、副鼻腔粘膜から生じる炎症性増殖性の腫瘤のことで、普通がんになるようなことはありませんが、成長して大きくなったり数が増えたりすると、 それだけ鼻づまりがひどくなります。鼻ポリープが発生する原因については詳しく分かっていませんが、感染とアレルギーが関わっているのではないかと考えら れています。

 

それ以外の慢性副鼻腔炎の症状としては、頭痛や頭重感が挙げられます。その特徴として「頭が重い」や「集中力がない」「疲れやすい」などといった症状が多く見受けられるそうです。

 

他 にも、急性副鼻腔炎と同じように嗅覚異常が生じて、においが分からなくなると言われています。また、鼻腔や副鼻腔の炎症が中耳にまで波及し、中耳炎を起こ してしまう場合や、鼻汁がのどに回る後鼻漏によって慢性咽喉頭炎や慢性気管支炎を起こす場合もあるとされているため、注意が必要です。

慢性副鼻腔炎の主な治療法

慢性副鼻腔炎の治療には、まず保存療法があり、その保存療法には局所療法と薬物療法があります。

 

局所療法は、鼻腔にたまった鼻汁や膿を吸引し、中をきれいにする「鼻腔内清掃」、上顎洞穿刺洗浄法と呼ばれる「副鼻腔洗浄」、噴霧器による吸入治療である「ネブライザー療法」があります。

 

薬物療法は、マクロライド系抗生物質を少量長期投与する治療法である「マクロライド療法」という薬物療法が一般的です。

 

保存療法で治らない場合は、手術療法が行なわれます。手術は外科手術と内視鏡手術とがありますが、現在ではほとんどの症例で内視鏡手術が行われるようになっています。